トレード研修第2回目を行いました(その3)

投稿日:2022年01月17日

この日の最後に、このユニットにお邪魔させていただく予定でした。

ですが午後に入り、ご利用者様の一人がお亡くなりになったと情報が入りました。
ご家族様も来られ、職員も忙しくしているのは想像に難くありません。
取材はNGだろうと考えていると、「ユニットから退苑されるご利用者様をお見送りした事ありますか?」と質問されました。
施設玄関でお見送りする事はありましたが、フロアやユニットからお見送りしたことはありません。
邪魔になるだけだろうし等と返事したところ「ユニットに行ってみます?」と提案いただきました。

 

イルミネーションなどの趣味を駆使し、ご利用者様を喜ばせるのが私達の仕事なら、最後の瞬間まで立ち会って、お見送りさせていただくのも私達の仕事。
どちらも同じ日、同じ建物内での出来事。
(同日の様子を紹介したブログ記事です。⇒トレード研修第2回目を行いました(その1)

 

このユニットに赴くと職員は至って平静。落ち着いた雰囲気で仕事をしていました。

 

 

 

 

 

 

 

葬儀社の方が来てバタバタと慌ただしくなったユニットで、
「あれ、なんしょんな?」という入居者様に「ここでは、(病気が)治せないので、他に移ることになったんです。」と職員が対応しています。
ご遺族様には神妙な顔を見せるのに、他のご利用者様には「大丈夫ですよ。心配ないですよ。」と不安を与えないように笑顔で対応する職員。

 

 

 

 

 

 

 

時間の取れる職員が玄関まで出てお亡くなりになったご利用者様のご冥福を祈りお見送りさせていただきます。
本当はユニットの職員全員で玄関までお見送りしたいと思うのですが、
ユニットには他にも元気なご利用者様もおられるため、ユニットから、この時勤務していたユニットリーダーが玄関まで来てお見送りさせていただきました。

(寝台車をお見送りする職員の様子)

 

 

 

 

 

 

 

 

元気なご利用者様には絶対に悲しそうな顔は見せず、笑顔で対応し、ご遺族様には平静を装うように対応していました。
法寿苑の前介護長から聞いた話ですが、前介護長は若い頃、
看取ることが辛くて苦しかったけれど、いつの頃からか、私を最後に立ち会わせてくれた、
最後の瞬間に私を選んでくれたんだと思えるようになったそうで、みんなもご利用者様から最後の瞬間に選ばれる、「あなたが勤務している日なら安心して逝けるよ」とご利用者様から選ばれる、そんな職員に育って欲しいと言っていたことを思い出しました。

 

取材後、ユニットのリーダーから「若い職員が中心になってご利用者様のアルバムを作ってくれているんです。」と話がありました。
色々伺う内に「多分今日お亡くなりになられたご利用者様も若い子(職員)が想い出になるような写真、沢山撮ってくれたから。」とか「ご利用者様への対応も僕がいなくても、しっかりしてくれるので安心しています。」などユニット職員の自慢話に聞こえたので、「『ウチの職員すごいでしょ!?』ってリーダーの言葉としてブログに書いていいですか?」と質問した担当者。
リーダーから許可が下りたので、書かせていただきます。
職員の皆様、リーダーから“ウチには自慢の職員が揃ってる”って言葉いただきました!

(若い職員が作成したアルバムを持つ     ユニットリーダー)

 

 

 

 

 

 

 

 

最後になりましたが、取材担当者から第2回目の感想を述べさせて下さい。
本当はこの日の出来事をブログに載せようか迷いました。
アルバムの事やyoutubeが見えない事だけを掲載することも可能でした。
それでも、前介護長がいうように、この日、この職員を選んでくれたのだとするのなら、ユニットの職員のためにも、この日あった事を書いた方が良いのではないかとの考えに至りました。様々な考えがあり、ご批判等をお持ちの方もおられるかもしれません。
お気を悪くされたならば本当に申し訳ありません。ただ一つ、この辛い別れも介護の一部であることを多くの皆様に知っていただければと考えております。

 

法寿苑にはベテラン職員もいれば新人の職員もいます。
ベテラン職員が新人職員を評価しれば「まだまだ」と感じていたり、新人職員自身は「私は全然だ」と感じている人もいるかもしれません。
ですが、取材担当者から言わせれば、全員が全員、プロの顔つきで働いていました。
素人の担当者が知らない用語を駆使し、活躍していて、全員が凄い人に見え、カッコいいと感じる瞬間がありました。
ユニットリーダーから「自慢の職員がそろっている」と言葉が飛び出すのも、決してお世辞ではないと感じることができた2回目の研修でした。

 

研修はこの後も続きますが、また3回目、4回目のトレード研修を経て変わってゆく法寿苑をご報告出来ればと考えています。


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